专利摘要:
本発明は、鉄キレート剤と免疫抑制剤とを含む組合せ、例えば造血幹細胞移植において、免疫抑制を改善するためのそのような組合せの使用に関する。
公开号:JP2011512383A
申请号:JP2010547166
申请日:2009-02-18
公开日:2011-04-21
发明作者:レイスマン,オリバ
申请人:ノバルティス アーゲー;
IPC主号:A61K45-06
专利说明:

[0001] 本発明は、鉄キレート剤と免疫抑制剤とを含む組合せ(コンビネーション(combination))を提供する。本発明は、例えば移植、例えば同種異系幹細胞移植における、前記組合せの使用を提供する。]
背景技術

[0002] 同種異系造血細胞移植(HCT)を受ける、血液悪性疾患を有する患者は、しばしば多回の輸血を受ける。HCT後の患者での多回輸血に起因する続発性ヘモクロマトーシスの問題を取り上げた公表文献はごくわずかしか存在しない(Oguchi, T. 1995, Mahendra, P. 1996)。過剰の鉄を除去するための瀉血は、原発性(遺伝性)ヘモクロマトーシスを有する患者における標準的な治療である。しかし、多回の輸血を必要とする血液悪性疾患の患者では、HCTの前の瀉血は、貧血のために不可能であることが多い。従って、移植患者(例えば、HCT患者)の改善された管理が求められている。]
先行技術

[0003] Oguchi, T. 1995, Mahendra, P. 1996]
課題を解決するための手段

[0004] 本発明は、移植(例えば、幹細胞移植)を改善するための方法であって、鉄キレート剤と免疫抑制剤との組合せを、そのような治療を必要とする哺乳動物(特にヒト)に同時投与する工程を含む方法を提供する。鉄キレート剤と免疫抑制剤は、好ましくは、その組合せが所望治療効果を生じる量で同時投与される。]
[0005] 「免疫抑制剤」とは、シクロスポリン又はアスコマイシン(ascomycine)又はそれらの免疫抑制性類似体若しくは誘導体、例えば、シクロスポリンA、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981;mTOR阻害剤、例えば、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンを意味する。]
[0006] シクロスポリンA(SANDIMUN(登録商標)、NEORAL(登録商標))は周知の免疫抑制剤であり、特に移植拒絶反応(肝移植拒絶反応が挙げられる)の予防のために使用される。]
[0007] シクロスポリンA及びシクロスポリンA誘導体は公知であり、例えば、米国特許第4,117,118号又は欧州特許第0539319号に記載されている。シクロスポリンA誘導体としては、例えば、J Peptide Res, Vol. 63, pp. 147-154 (2004)に記載されているシクロスポリンAプロドラッグが挙げられる。例えば、欧州特許第0539319号又は米国特許第5,234,625号に記載されているシクロスポリンA製剤は、特にNEORAL(登録商標)の商標名で市販されており、水性環境においてマイクロエマルションを形成する。]
[0008] シクロスポリンA又はその誘導体の医薬製剤は、例えば経口使用のために経口投与が予測される場合、好ましくは、その個々の成分又は構成要素が医薬的に許容される、前述のような「マイクロエマルション前濃縮物(microemulsion pre-concentrate)」である。]
[0009] シクロスポリン有効成分に加えて、「マイクロエマルション前濃縮物」組成物は、一般に:
1)親水相;
2)親油相;及び
3)界面活性剤
を含む。]
[0010] シクロスポリンは親油相に担持される。適切には、親水相及び親油相の両方が担体媒質としての役割を果たし得る。]
[0011] 本発明の「マイクロエマルション前濃縮物」は、水中油型(o/w)マイクロエマルションを提供するタイプのものである。しかしながら、認識されるように、マイクロエマルション前濃縮物組成物は少量の水を含有してもよいし、又はそうでなければ、例えばo/w若しくは油中水(w/o)型のマイクロエマルションに特徴的な微細構造特徴を示してもよい。従って、本明細書で使用される場合、「マイクロエマルション前濃縮物」という用語は、そのような可能性を包含すると理解されるべきである。]
[0012] 本発明の「マイクロエマルション前濃縮物」組成物を水又は他の水性媒質と接触させたときに得られるマイクロエマルションは、熱力学的安定性を示す、すなわちそれらは、長期間にわたって、例えば混濁化又は通常の(regular)エマルションサイズの液滴の形成若しくは沈殿を伴わずに、環境温度で安定なままである。水での希釈の上限は重要ではないが、重量比で1:1、好ましくは1:5(「マイクロエマルション前濃縮物」:H2O)又はそれ以上の希釈が一般に適切である。好ましくは、水と接触したとき、「マイクロエマルション前濃縮物」組成物は、約1,500オングストローム(Å)未満、より好ましくは約1,000Å又は1,100Å未満、例えば約150Å又は200Åに至るまでの平均粒径を有するマイクロエマルションを提供する。]
[0013] 本明細書で使用される「mTOR阻害剤」という用語は、ラパマイシン(シロリムス)又はその誘導体を含むが、これらに限定されない。ラパマイシンは、ストレプトミセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)によって生産される公知のマクロライド系抗生物質である。ラパマイシンの適切な誘導体としては、例えば式A:




(式中、
R1aaは、CH3又はC3〜6アルキニルであり、
R2aaは、H又は−CH2−CH2−OH、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−プロパノイル又はテトラゾリルであり、そして
Xaaは、=O、(H,H)又は(H,OH)であり、
但し、Xaaが=Oであり、R1aaがCH3である場合、R2aaはH以外である)
の化合物、又はそのプロドラッグ(R2aaが−CH2−CH2−OHである場合)、例えばその生理的に加水分解性のエーテルが挙げられる。]
[0014] 式Aの化合物は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第94/09010号、同第95/16691号、同第96/41807号、米国特許第5,362,718号又は国際公開第99/15530号に開示されている。それらは、開示されているように調製されてもよいし、これらの参考文献に記載されている手順から類推して調製されてもよい。好ましいラパマイシン誘導体は、32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン及び、より好ましくは40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンである。ラパマイシン誘導体のさらなる例としては、例えば米国特許第5,362,718号に開示されている、CCI779若しくは40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシン若しくはその医薬的に許容される塩、例えば国際公開第99/15530号に開示されている、ABT578若しくは40−(テトラゾリル)−ラパマイシン、特に40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン、又は例えば国際公開第98/02441号及び同第01/14387号に開示されているラパログ(rapalog)、例えばAP23573若しくはTAFA−93が挙げられる。]
[0015] 本発明が適用される鉄キレート剤は、例えば鉄キレート化を必要とする患者において、例えば鉄のキレート化のための治療薬として、医薬的有用性を有する任意のものである。]
[0016] 本発明による鉄キレート剤は、例えば、デフェロキサミン、デフェラシロクス、デフェリプロン、L1NAll及びデフェリトリン(deferitrin)である。]
[0017] メシル酸デフェロキサミンUSPであるデスフェラールは、筋肉内、皮下及び静脈内投与のためのバイアルで入手可能な鉄キレート剤である。デスフェラールは、滅菌凍結乾燥形態の500mg及び2gのメシル酸デフェロキサミンUSPを含有するバイアルとして供給される。メシル酸デフェロキサミンは、N−[5−[3−[(5−アミノペンチル)ヒドロキシカルバモイル]プロピオンアミド]ペンチル]−3−[[5−(N−ヒドロキシアセトアミド)ペンチル]カルバモイル]プロピオノヒドロキサム酸モノメタンスルホネート(塩)である。]
[0018] メシル酸デフェロキサミンUSPは、白色からオフホワイト色の粉末である。水に自由に溶解し、メタノールにはわずかに可溶性である。その分子量は656.79であり、その構造式は、




である。]
[0019] 本発明による鉄キレート剤は、式(I):




(式中、
R1及びR5は、同時に又は互いに独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、低級アルキル、ハロ低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、カルボキシル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル又はニトリルであり;
R2及びR4は、同時に又は互いに独立して、水素、非置換若しくは置換低級アルカノイル又はアロイル、又は生理的条件下で除去され得るラジカルであり;
R3は、水素、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、ハロ低級アルキル、カルボキシ低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、R6R7N−C(O)−低級アルキル、非置換若しくは置換アリール若しくはアリール低級アルキル、又は非置換若しくは置換ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり;
R6及びR7は、同時に又は互いに独立して、水素、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、アルコキシ低級アルキル、ヒドロキシアルコキシ低級アルキル、アミノ低級アルキル、N−低級アルキルアミノ−低級アルキル、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、N−(ヒドロキシ低級アルキル)アミノ−低級アルキル、N,N−ジ(ヒドロキシ低級アルキル)アミノ−低級アルキルであるか、又はそれらが結合している窒素原子と共にアザ脂環式環を形成する)
の3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体又はその塩であり得る。]
[0020] 好ましくは、本発明の3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体は、本明細書中以下ではデフェラシロクスと称する、4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール(trizol)−1−イル]安息香酸、又はその医薬的に許容される塩である。デフェラシロクスは、例えば、欧州特許第0914118号及び米国特許第6,465,504B1号に記載されている。デフェラシロクスを含有する医薬製剤は、例えば、国際特許出願第2004/035026号に開示されている。デフェラシロクスは製造者の指示に従って投与することができる。]
[0021] 本発明による「鉄キレート剤」という用語はまた、以下に列挙する化合物を包含する:
− 以下の式、4,5−ジヒドロ−2−92,4−ジヒドロキシフェニル)−4−メチルチアゾール−4(S)−カルボン酸を有するデフェリトリン又はGT56−252。
−デフェリプロンは、3−ヒドロキシ−1,2−ジメチルピリジン−4(1H)−オンである。
− L1NAllは、以下の式、1−アリル−2−メチル−3−ヒドロキシピリド−4−オンを有する第二世代のデフェリプロン(L1)類似体である。]
[0022] 鉄キレート剤(例えば、デフェラシロクス又はデフェロキサミン又はデフェリプロン又はデフェリトリン又はL1NAll)と免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンA)との組合せの「同時投与」という用語は、上記成分が医薬組成物として又は同じ単位投薬形態の一部として一緒に投与され得ることを意味する。同時投与はまた、鉄キレート剤(例えば、デフェラシロクス又はデフェロキサミン又はデフェリプロン又はデフェリトリン)と免疫抑制剤とを、別々であるが同じ治療レジメンの一部として投与することを含む。上記成分は、別々に投与する場合、本質的に同時に投与される必要は必ずしもないが、所望する場合は同時に投与することができる。従って、同時投与は、例えば、鉄キレート剤(例えば、デフェラシロクス又はデフェロキサミン又はデフェリプロン又はデフェリトリン)及び免疫抑制剤を、別々の投薬又は投薬形態としてであるが、同時に投与することを含む。同時投与はまた、異なる時点で及び任意の順序で別々に投与することを含み、例えば鉄キレート剤を免疫抑制剤の前に又はその逆の順序で投与することができる。鉄キレート剤の投与はまた、HCTの前又は後の種々の時点で、例えばHCTの3〜6か月後に実施することができる。]
[0023] 本発明は、HCTを受けたことがある患者を治療する方法であって、鉄キレート剤と組み合わせて免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンA又はシクロスポリンA誘導体)を前記患者に投与する工程を含む方法を提供する。]
[0024] さらなる態様では、本発明は、鉄キレート剤と組み合わせた、対宿主性移植片拒絶反応の予防のための薬剤の製造における免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンA又はシクロスポリンA誘導体)の使用に関し、さらにもう1つの態様では、シクロスポリンA又はシクロスポリンA誘導体と組み合わせた、対宿主性移植片拒絶反応の予防、例えばHCTのための薬剤の製造における鉄キレート剤の使用に関する。]
[0025] 鉄キレート剤と免疫抑制剤は、例えば、単独で摂取した免疫抑制剤と比較して免疫抑制が改善される量で投与される。鉄キレート剤と免疫抑制剤は、例えば、瀉血と組み合わせた免疫抑制剤と比較して免疫抑制が改善される量で投与される。]
[0026] 本発明の併用療法から生じるさらなる利点は、
−移植後、例えばHCT後の改善、例えばより高い全生存率及び無病生存率、
−ヘプシジン産生の減少、
−急性対宿主性移植片病の減少、
− 移植後、例えばHCT後の治療関連死亡率の低下、
− HCT後の慢性肝疾患の減少、
−免疫抑制剤単独での治療によって生じるクレアチニンレベルを超えないクレアチニンレベル
であり得る。]
[0027] 鉄キレート剤と免疫抑制剤の組合せは、例えば移植患者において、例えばHCT患者において、前記免疫抑制剤の吸収を改善し得る及び/又は免疫抑制を改善し得る。]
[0028] 好ましくは、本発明の医薬組成物は、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリンA、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981;mTOR阻害剤、例えば、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンと組み合わせて、鉄キレート剤、例えば3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体又はその塩、例えば、デフェラシロクス、デフェリプロン、デフェリトリン、L1NAll、デフェロキサミンを含む。]
[0029] 本発明は、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリンA、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981;mTOR阻害剤、例えば、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンと組み合わせて、鉄キレート剤、好ましくは3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体の治療有効量を含む医薬組成物を提供する。]
[0030] 好ましくは、本発明の医薬組成物は、鉄キレート剤(例えば、デフェラシロクス)及び免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンA)を含む。]
[0031] 本発明は、別々に同時投与し得る化合物の組合せによる治療に関する態様を有するので、本発明はまた、別々の医薬組成物をキット形態に組み合わせることに関する。上記キットは、2つの別々の医薬組成物:
(1)1つの鉄キレート剤、特に3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体、例えば4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]安息香酸及び医薬的に許容される担体又は希釈剤を含む組成物;並びに
(2)シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)を含む組成物
を含む。]
[0032] キットは、別々の組成物を収容するための容器、例えば分割型ボトル又は分割型ホイルパケットを含み、各々の区画は、(1)又は(2)を含有する複数の投薬形態(例えば錠剤)を含む。あるいは、有効成分を含有する投薬形態を分けるのではなく、キットは、別々の区画を含んでもよく、この区画の各々は、投薬形態全体(whole dosage)を含み、この投薬形態全体には、別々の投与形態が含まれる。このタイプのキットの一例はブリスターパックであり、各々個別のブリスターが2個(又はそれ以上)の錠剤を含み、1個(又はそれ以上)の錠剤が医薬組成物(1)を含み、2番目(又はそれ以上)の錠剤が医薬組成物(2)を含む。典型的には、キットは別々の成分の投与のための指示書を含む。キット形態は、別々の成分が、好ましくは異なる投薬形態で投与される場合(例えば経口と非経口)、異なる投与間隔で投与される場合、又は組合せの個々の成分の滴定が処方医師によって所望される場合に特に有利である。従って、本発明の場合、キットは、
(1)第一の投薬形態の、鉄キレート剤(例えば、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール誘導体)及び少なくとも1つの医薬的に許容される担体又は希釈剤を含む組成物;
(2)第二の投薬形態の、少なくとも1種のシクロスポリンを含む組成物;並びに
(3)前記第一の投薬形態と第二の投薬形態を収容するための容器
を含む。]
[0033] 本明細書の実施例は、決して本発明の範囲を限定するものではない。]
[0034] [実施例1 経口デフェラシロクスの効果と安全性(例えば、鉄過剰症(iron overload)が存在する、同種異系造血細胞移植の3〜6か月後の患者において20mg/kg/日で投与された場合)]
例えば、鉄過剰症が存在する、同種異系造血細胞移植の3〜6か月後の患者において投与された、経口デフェラシロクスの効果と安全性を評価する1年間のオープンラベル単群多施設試験(open labeled single arm multi center trial)。]
[0035] デフェラシロクスを使用した鉄キレート化の効果を、同種異系幹細胞移植後に鉄過剰症の徴候を示す患者において検討する。鉄過剰症は、例えば輸血によるものであり得る。]
[0036] 例えば75名の患者を臨床試験において募集する。患者は、同種異系造血幹細胞移植の3〜6か月後とする。]
[0037] 参加患者において鉄貯蔵に関連する因子、例えば、診断からの輸血の回数、HCT後の患者のHFE遺伝子型、HCT後のヘプシジン(これらは、HCT後の体内鉄貯蔵に影響を及ぼす場合がある)をモニターする。]
[0038] 基線時とデフェラシロクスでの52週間の治療後の血清フェリチン値を比較することによって、鉄キレート化を評価する。シクロスポリンAの吸収へのデフェラシロクスの影響をモニターする。例えば試験期間全体を通じてシクロスポリンAレベルを測定することによって、免疫抑制をモニターする。移植における潜在的改善を測定するため、同種異系造血細胞移植もモニターする。]
[0039] Shulman判定基準による移植後365日目の慢性対宿主性移植片病の発生率をモニターする。]
[0040] 試験計画:
デフェラシロクスの1日用量をそれぞれの患者において初期試験期間中に漸増し、試験治療の1日目に10mg/kg体重/日から出発して4週間後に20mg/kg体重の1日用量に達する。残りの48週間の治療期間中又は500ng/mlを下回る血清フェリチンレベルに達するまで、例えばどちらか早い方が達成されるまで、用量調節が必要とみなされない限り、20mg/kg/日を維持する。]
[0041] 選択基準:
1.造血幹細胞移植の3〜6か月後の輸血後鉄過剰症、例えば活動性炎症の証拠を伴わない、1000ng/mlを上回る平均血清フェリチンレベル
2.少なくとも20単位の赤血球輸血又は100mL/kgのプレパック赤血球(prepacked red blood cell)(PRBC)輸血の履歴
3.男女いずれかの18歳又はそれ以上の患者
4.初潮に達しており、性的に活動性である女性患者は、経口避妊薬プラスバリア避妊法の二重バリア避妊法を使用するか、又は臨床的に証明される子宮全摘出及び/若しくは卵巣全摘出若しくは卵管結紮を受けたことがあるか又は少なくとも12か月間の無月経によって定義される閉経後でなければならない。]
[0042] 除外基準:
1.非輸血関連の鉄過剰症
2.活動性悪性疾患
3.既知の活動性ウイルス性肝炎又は既知のHIV陽性
4.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の平均レベル>5×ULN
5.移植後の何らかの鉄キレート剤による治療
6.コントロール不良の全身性高血圧
7.血清クレアチニン>1.5ULN及び/又は血清クレアチニンクリアランス<60ml/分
8.ネフローゼ症候群の既往歴
9.鉄キレート化に関連する臨床的に重要な眼又は耳毒性(ocular or auditory toxicity)の既往歴
10.患者が試験治療を受けるのを妨げる可能性のある全身性疾患(心臓血管、腎臓、肝臓等)
11.妊娠又は授乳期の患者。]
[0043] 患者に関してモニターするパラメータは、例えば臨床検査、シクロスポリンAトラフレベル、血清クレアチニン、輸血、HFE遺伝子型、心電図、尿中のヘプシジン、鉄代謝、デフェラシロクス薬物動態試験、尿中のタンパク質、Shulman判定基準を用いた慢性対宿主性移植片病の徴候、及び尿中のタンパク質である。]
実施例

[0044] 慢性GvHDは、Shulmanによって定義された以下の判定基準を用いて限局性又は広範性(limited or extensive)と定義され得る。
限局性慢性GvHD
以下の判定基準のいずれか又は両方が存在しなければならない:
限局性皮膚病変(localised skin involvement)及び/又は
肝機能不全
広範性慢性GvHD
以下のいずれか:
全身性皮膚病変
又は
限局性皮膚病変及び/若しくは肝機能不全
プラス
慢性攻撃性肝炎(chronic aggressive hepatitis)、架橋状肝壊死又は肝硬変を示す肝の組織学検査
又は
眼の病変:シルマー試験で5mm未満のぬれ
又は
口唇生検標本で明らかにされた軽度の唾液腺又は口腔粘膜の病変
又は
何らかの他の標的器官の病変(例えば食道異常、多発性筋炎)]
权利要求:

請求項1
(a)鉄キレート剤及び(b)免疫抑制剤を含む組合せ。
請求項2
前記鉄キレート剤が、デフェロキサミン、デフェラシロクス、デフェリプロン、L1NAll若しくはデフェリトリン又はそれらの医薬的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の組合せ。
請求項3
前記免疫抑制剤が、シクロスポリンA又はシクロスポリンA誘導体、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の組合せ。
請求項4
前記鉄キレート剤がデフェラシロクスであり、前記免疫抑制剤がシクロスポリンA又はシクロスポリンA誘導体である、請求項1に記載の組合せ。
請求項5
前記免疫抑制剤が、マイクロエマルション前濃縮物中のシクロスポリンA又はシクロスポリンA誘導体である、請求項4に記載の組合せ。
請求項6
HCTを受けている又は受けたことがある患者の集団において使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ。
請求項7
患者が、変異型HFE遺伝子を有するドナーからHCTを受けた、請求項6に記載の組合せ。
請求項8
請求項1〜4のいずれか一項に記載の組合せを含む医薬組成物。
請求項9
HCTを改善する必要のある患者においてHCTを改善するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組合せの使用。
請求項10
前記鉄キレート剤がHCTの3〜6か月後に投与される、請求項10に記載の組合せの使用。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
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申请号 | 申请日 | 专利标题
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